スーツ・ネクタイなんて要らない!はてな版

着用による健康被害、過度なエアコン設定で環境への影響はどうでしょう。クールビズ賛成!ノーネクタイ・ノージャケット浸透を!

クールビズ(1) - nikkeibp.jp - 新ワークスタイル研究(日経BP)

クールビズ(1)

2005年6月14日
世の中クールビズが話題になっている。クールビズの意義(環境問題への取り組み)については、オンタイムで連載中の「現代リスクの基礎知識」の第89回にて「クールビズの背景を考える〜ファッションセンスと環境税」を書いているので、参考にしていただければ幸いだ。
オフタイムの「新ワークスタイル研究」で意識しているのは、もっぱらリラックスした観点での生活の場、個人の目線からのクールビズ考である。
何故脱ぐのか
まずは、「ネクタイをする/しない」の問題だが、体感温度で2度違うのでネクタイを外せ、となっている。
先進国の一員として、環境問題である温暖化防止への、日本のアクションが問われている現在、カッコいい、カッコ悪い、相手あってのビジネスで「そんなスタイルはありえない」ではなく、日本のなすべきこととしては、待ったなしの状況だ。
実際、会社がクールビズに賛同し、ウェブサイトで宣言し、企業としての夏のライフスタイルを社員に徹底させているかいないかを確認することは大事だ。気がついていないならば、社員として提案し、企業イメージを向上させておくことが望まれる。そもそも対応の遅れが、株価に影響を与える。まさに、経営マターでもある。
ま、硬い話は前掲の「現代リスク」に任せるとして、「新ワークスタイル」のスタンスとしては、理由はともあれ、これをきっかけに、お洒落を楽しむ企業風土、さらには働き方を変革するチャンスであると捉えている。
衣紋掛け型ツール
そもそも、オフィスワークでは、皆さん上着を脱いでいるのだし、ワイシャツにネクタイで仕事をしている。上着は皺になるので、椅子の後ろに衣紋掛けのような「ツール」を設置し、その上にかける「サラリーマン」がかなり居るはずだ。
白いシャツにクォーツの時計、白い靴下に黒い革靴。体型に合っていない、異様に肩幅が広い上着や、お腹のあたりがダボダボのグレーや紺のスーツ…。
そのスタイルを止めさせ、心機一転、元気ハツラツ。そうなれば、しめたもの。省庁改革にも力が入るだろうと、小泉首相、小池環境大臣が立ち上がった。ま、でも、元来、そのお二方ならびに竹中大臣は、内閣のなかでも、お洒落で通っているほう…。
http://nikkeibp.jp/style/life/joy/lin/050614_coolbiz1/index.html

何を着るのか、着こなし方
ファッションセンスは一日にして成らず。
年齢(経験)から来るものもあるし、職業観、社会的なポジション、教養、その人の生まれ持った体型も影響する。そもそも学生時代から、お洒落に気を遣っていたか、今でも遣っているかという問題が横たわる。
議員先生だと国会でのマナーのようなものがあり、シャツのボタンは全部下までついているもの(つまりは今年流行のプルオーバータイプはご法度)をズボンの中に入れることが基本となっている。お腹が出てくる年代で、ファッションなどには気を遣わない人には、まず、そのあたりで、ビジュアル的には限界が出てくる。
そもそも、お腹周りを隠し、画一的なスーツにアクセントをつけるためにネクタイがあったのだし、女性で言えばスカーフに相当する、その部分を外せというのだから、大変だ。環境省の職員の中には、年頃の大学生の娘さんにワードローブをみてもらい、組み合わせをチョイスしている人もいた。それでも、せいぜい学生時代の延長線上でのボタンダウンシャツか、数年前に流行ったブルーのシャツ、ストライプのシャツ止まりとなる。
で、経済波及効果を考え、公務員の懐にも配慮し、クールビズ商戦を展開するスーパーや百貨店では、上から下までトータルで1〜2万円の追加投資ですむような低価格路線を提唱したりしている。これでは様にならない。かといって、いきなり、スーツの上着にポケットチーフをしても、七五三でもあるまいし…。
本来最も気を遣うべきものが、いきなり先頭に出てくるもどかしさ
シャツや靴、ベルト、さらにはスラックス自体が、そもそもこだわれば、きりのないものである。それが全面に出てくるのだから大変だ。ま、クールビズが続くことを前提に考えると、一つずつ、使いまわしが出来る良いもの、クオリティの良いものを持っていることが望ましい。
靴ならば、4万円を越えるぐらい。シャツならば2万円。時計ならば20万円を越える。これを一点豪華ではなく、無印良品のような、チープシックと組み合わせる。
いわゆるTPOを大事にしたい。今の時代、オンタイムとオフタイムがシームレスで交互に現れる状況なのだから、どこで気合を入れ、どこからリラックスするかを知ることが大切だ。そうした良質なものについては、ファッション雑誌を数ヶ月買いつつ研究し、実際に試着して似合うかどうか、同性や異性に見立ててもらう。もしくは、信頼できるお店の、相性の良い店員に相談することをお奨めする。
http://nikkeibp.jp/style/life/joy/lin/050614_coolbiz1/index1.html

ファッションスタイルを変えるには3年かかる覚悟で
いきなり全部を揃えられないことは感覚で解っている。一気に揃えるにも、財政逼迫で如何ともしがたい。が、本当にイメージチェンジをしたい場合、一気に変えることが重要になる。上下のペアを2着、その組み合わせを変えることで4通りになるようなものをまず購入し、翌年、翌々年に足りない部分を揃えるのが理想的だ。
ジャケットを必要としないとしても、シャツとスラックスを上下2着ずつ、それと今まで着ていたものを使いまわし、騙し騙し、初年度をやりぬくことが望ましい(それでも、ジャケットが必要なこともあり、ノーネクタイ向きのジャケットは本来別途あるべきではあるが…)。
ただし、ファッションにはサイクルがあり、個人的な経験では、自分の体型や好みにあった商品が出てくるのは3〜5年に一度の頻度だ。であるので、思いっきり洋服を買う年と使いまわす年(つまりは、小物などを揃える程度に財布の紐を絞る年)を分けておくことが大事だ。
色を決める
自分のオリジナルカラーを決めておくことも大切である。ちょっと色白で中肉中背の(あるいはやや肥る傾向にある)場合、こっそりダイエットして、肥ることを抑制するのと、濃い色のものを選ぶことだ。ジャケットの場合だと、同じ紺色でも、薄い青と濃紺の場合、濃紺を選ぶ。
実際、筆者は、大手シンクタンクに在籍していた99年前後から、環境に優しいからと勝手にネクタイを外してしまったのだが、ノーネクタイでお洒落にするならば、シャツは濃紺か黒が引き締まって見えてよいと経験上実感してきた。ただし、会社でジャケットを脱ぎ、中も黒っぽいままでいると、白とか薄い色のシャツの中で一人目立つので、ちょっとだけ気まずい気持ちになったりもした(苦笑)。
今年は白い麻のシャツを2枚と、濃紺に白いストライプの麻を上下で揃えて勝負服にしている。が、ちょっと遊び人、業界風、「ちょい悪」中年系に見えるので、官庁や企業トップにお会いするときには、少しくたびれた数年前のイタリア風スーツをシックに着こなす努力をしている。今なら、中は襟の立ったものを着こなせば、それなりに使えそうだ。
夏だからスーツも薄い色、ではなく、初心者は初心者なりに(童顔で、顔で勝負できない僕を含む)、多くのサラリーマンには、顔がしまって見える色というものを、くれぐれも意識してほしい。
http://nikkeibp.jp/style/life/joy/lin/050614_coolbiz1/index2.html

素材にこだわる
デザイナーの菊池武夫氏がクールビズのファッションアドバイザーで登場していたが、「TAKEO」だからなのか、あるいは愛知万博だから和を尊ぶのか、竹の素材を使った新しい繊維を、クールビズのスーツに提案してきた。もっとも、前掲の「麻」という素材が昔から夏には尊ばれ、最近はノーブランドならばかなり手ごろな価格で、ジャケットとして購入可能だ。
麻はよれよれ感が良いのだが、ジャケットは会社では掛けておくことが多いので、傷みやすいスラックスは余分にスペアをもう一本購入しておいて、交互にはくことが長持ちの秘訣でもある。また、汗などが付着し、手入れが十分でない場合、塩を吹いたりするので、その点も取り扱いは難しい。
かりゆしウェア(アロハシャツ)
クールビズの初日、小泉総理はかりゆしウェアで登場した。ちょっと確認を怠ったが、あれは沖縄サミットで着用したものなのか。あるいは別途新調したものなのか。小池大臣の赤いハイビスカス柄のかりゆしウェアは、沖縄のメーカーが嬉しそうに、沖縄観光関係の記者に自社製品であると伝えていた。
筆者は、美ら島沖縄大使(沖縄民間観光大使)を2004年から仰せつかっており、沖縄出張中のかりゆしウェアは基本中の基本である。もともとは、サミットの際の首脳にどういうものを着てもらうか、観光立県の沖縄をどうアピールするか、そして沖縄の伝統的な織物をどう市場化するかという部分から輪が広がってきている。
で、かりゆしだが、これはこれで、スラックスを何色にするかで結構着こなしが難しい。沖縄でさえも、これまでの経験を通して徐々に浸透したものなので、これを永田町や大手町で普及させるには、もうひと工夫が必要だ。
そもそも、クールビズのロジックだと、「冬はネクタイしめようや」的に、ネクタイ業界をフォローしつつ、なだめすかしているが、冬も「ホッとビズ」で、マフラーにセーター、革ジャケットなどで決めて欲しいなと感じている。ホッとホッとで迫れと言いたい。
これら一連の改革だが、まずは、役所の長、経営トップ、首長が自ら率先して、動きだすことが鍵となる。環境問題からすれば、「働き方、生活態度を変える」ことがそもそも大事であり、形から入るのは、「最初のきっかけ」に過ぎない。ワークスタイルをどう変革すべきか、次号で伝えたい。
(以下、続く)
りんしこう
シンクタンク代表。「よく働き、よく遊ぶ」がモットー。早くからゴーギャンに憧れ、着々と「タヒチ移住計画」の実現に向け準備中。トレーニングとして、沖縄に着目し、その振興政策に深く関わる。海外逃亡癖があり、欧州を中心にリゾート地を徘徊。移動中ならびにリゾート地で仕事をする効率性を経験し、国内で伝道中。「実践力学」を基本とし、個人の範囲で購入、経験可能なものを「物欲」と称してマーケティング戦略の立案に勤しむ(?)。日々の活動については、個人運営サイト「Lin’s Bar」内の「e戦略の視点2」を参照のこと。
http://nikkeibp.jp/style/life/joy/lin/050614_coolbiz1/index3.html

以上 日経BP 引用