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着用による健康被害、過度なエアコン設定で環境への影響はどうでしょう。クールビズ賛成!ノーネクタイ・ノージャケット浸透を!

社説 連日の猛暑 省エネで少しでも涼しい夏

 連日、猛暑が続いている。寒暖計は上がりっぱなしで、熊本市では真夏日が六月二十八日から二日までで連続三十六日。真夏日は最高気温が摂氏三〇度以上の日だから、うだるような熱気に毎日、包まれていることになる。

 熊本地方気象台によると太平洋高気圧の勢力が強いためだが、「八月も平年並みか高めに推移するとみられる」とのこと。しばらくは「今日も暑かですね」というあいさつの言葉と縁が切れそうにもない。

 この暑さが尋常でないのは気象データからも分かる。七月の平均気温は熊本二八・九度、阿蘇乙姫二四・八度、人吉二七・〇度、牛深二七・九度。それぞれ平年との差はプラス一・三〜一・九度。熊本市では一九九四(平成六)年の二九・五度に次ぐ二番目の高さだった。また、最高気温が三五度を超えた日が九日もあった。平年は二・四日だから、いかに厳しい暑さが続いたかが分かる。

 高温傾向は三月から続いており、生物季節観測にも現れている。例えばセミの「初鳴き」。熊本気象台では熊本市アブラゼミとヒグラシを観測しているが、今年はアブラゼミは平年より四日早い七月七日、ヒグラシは十八日早い七月十五日と、いずれも九〇年と並んで観測史上最も早かった。

 “強い太平洋高気圧”がもたらしている猛暑をさらに暑くしているのが、都市部が島状に高温域となるヒートアイランド現象。自動車やエアコンなどの排熱、冷えにくい乾燥した舗装道路やコンクリートの建物などが、その熱源になっているといわれる。

 ヒートアイランド現象では昼間より夜間の気温上昇が大きい。東京では数十年前に比べ昼間は一度程度しか高くなっていないが、夜間は二〜四度も上がっているというデータもある。昼間暑くても、日が沈めば涼しくなっていたのに、現代の都市では暑い寝苦しい夜が増えているわけだ。

 それにしても熊本市の夏は暑い。海から吹いてくる西風を金峰山が邪魔するような地形のためか、天気予報を見ていても九州各県の中で最高・最低気温とも一番高いことがしばしばだ。

 この熊本の暑い夏が好きだったのが、一八九一(明治二十四)年に旧制五高に英語教授として赴任したラフカディオ・ハーンだった。暑ければ暑いほど元気が増進し、血の巡りもよくなり、熱い風呂に入ったあとは視力すら回復しそうな爽快(そうかい)さだったと書いている。

 しかし、この百年で熊本市の年平均気温は一度、年最低気温は二度上昇しているといわれる。ハーンが愛した熊本の夏は、エアコンや自動車の普及、それに緑の減少などの都市化が進んだ今、さらに暑くなっているのだ。

 崇城大学の上野賢仁助教授によると、エアコンの設定温度を二八度にすることで、エネルギーは二五度の時より午前十時で四分の一、正午で三分の一で済むという。その分、排熱も減る。

 エアコンの設定温度を上げ、自動車の使用を控える―すぐ私たちにできるこうした省エネへの取り組みが、都市部が熱くなるのを抑え、“暑い夏”を少しでも涼しくすることにつながるはずだ。

(くまにち.コム平成16年8月3日(火)社説 引用)
http://www.kumanichi.co.jp/iken/iken20040803.html#20040803_0000004921

都市部でやらなきゃいけない立場の人たちが、エアコンで冷えた部屋の中でネクタイ締めていることの方が多いですからねえ。