「ウォームビズ」寒波で不発、ネクタイ業界がっかり(YOMIURI ONLINE)
チェックしたニュースを。
「ウォームビズ」寒波で不発、ネクタイ業界がっかり(YOMIURI ONLINE)
─以下引用─
環境省が打ち出した省エネ運動「ウォームビズ」が今ひとつ盛り上がっていない。
冬の間の暖房を弱め、代わりに厚着をして仕事をしようというものだが、ノーネクタイが象徴的だったクールビズと違ってイメージがつかみにくく、「何をどうすればいいのかわからない」という声も。
記録的な寒波の中で、「暖房を抑えてとは言いにくい……」との戸惑いも環境省内からは聞かれる。この寒さに景気回復効果も重なり、冬物衣料の売れ行きは上々だが、肝心の省エネ効果は見えないままだ。
■環境省
環境省は、冬場のオフィスの暖房温度をこれまでの24、25度から20度に変更することで、「クールビズの4倍程度の省エネ効果が期待できる」と試算するが、「ネクタイを外せばよかったクールビズと違い、パッと見てわからないこともあって、インパクトに欠ける面はある」と普及の難しさも認める。「クールビズでは官庁街での取り組みが、ビジネス街に広がり、それがまた話題になった」と、ブーム再現をもくろんでいるものの、実現への妙案は浮かばないのが現状だ。
寒波の余波もある。ウォームビズへの賛同企業からは「この寒さで暖房を我慢するのは無理」との電話も寄せられており、同省は「無理をしないで、温かく過ごす工夫をしながら参加してほしい」と呼びかけている。
■自治体・企業
クールビズでは推進役となった自治体の動きも鈍い。横浜市では昨夏、打ち水イベントを催したり、市民にうちわを配ったりと、クールビズのキャンペーンを大々的に展開したが、ウォームビズについては今のところイベントなどの予定はない。「ネクタイを外すというような象徴的なスタイルがなく、啓発の工夫が難しい」と環境政策課の担当者は言う。
一方、東京・丸の内のオフィス街。三菱商事は「夏とは異なり、室温をこまめに設定することはない」とし、明治安田生命保険も「社員の服装も普通のスーツで、暖房温度も例年と変わりない」と話す。
■冬物商戦
昨年10月下旬から11月上旬にかけ、ウォームビズの特設コーナーを設けたプランタン銀座(東京・中央区)では、肌着類などオフィス内での防寒グッズの先月の売り上げが、前年同期の2倍となっている。しかし、同社の広報担当者は「今年は寒さもあり、ウォームビズの直接の効果かどうかは分からない」と話す。
日本橋三越本店(同)でも、「売り場で『クールビズにしたい』と尋ねてきたお客様は多かったが、『ウォームビズにしたい』という相談はほとんどない」と広報担当者。ニットなどの室内着や肌着の売れ行きは順調に伸びているが、「サラリーマンの懐具合が良くなってきたことも影響しているのでは」とみる。
■ネクタイ業界
昨年のクールビズブームで大打撃を受けたネクタイ業界では昨秋、約60社でつくる日本ネクタイ組合連合会が「秋こそネクタイ」という共通広告を各百貨店に出し、ウォームビズに乗っての起死回生を狙ったが、担当者は「結局、ネクタイの売上高にはほとんど影響なかった」と明かす。
(2006年1月11日14時31分 読売新聞)
─以上引用─