いまどきのメンズを語る(1)(繊維ニュース)
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いまどきのメンズを語る(1)(繊維ニュース)
─以下引用─
2006年3月6日 (月曜日)
芽生え始めたおしゃれ感覚
デザイナー
コシノ・ジュンコ 氏
日登美 社長
圖師雅文 氏
景気回復を背景に、ここにきて消費好転の兆しが出てきた。衣料市場も例外ではなく、とりわけ昨夏のクールビズ効果などもあって紳士分野の活性化が促進されている。ここではデザイナーのコシノ・ジュンコ氏と日登美社長の圖師雅文氏に、面白くなってきたメンズファッションについて語り合ってもらった―。
圖師 メンズマーケットはクールビズ(CB)やウォームビズ(WB)などがきっかけとなり、活発化してきました。百貨店の売り上げを見ても、その伸び率はレディースを上回っています。
コシノ メンズファッションはこれまで、あまり注目されませんでした。なぜならスーツをユニフォーム感覚で着こなすことがほとんどですから。その形・デザインはほとんど変わらず、素材が少々違ってもわからなかった。そのため季節感や個性が出しにくい存在であるわけです。
圖師 確かにビジネスマンはスーツという制服でよかったわけですが、それが昨夏はCBでノータイスタイルが突然浮上しました。当初は単にネクタイを外しただけで、ネクタイなしのビジネススタイルの着こなしに戸惑ったようでした。
コシノ カジュアル化といっても、ビジネスシーンでの相手は大人です。それを無視したファッションは好感が持てません。Tシャツやジーンズといったスタイルは、ビジネスシーンでは世界的に受け入れにくい。IT関連でそういった姿が見受けられますが、おしゃれに着こなしているのであればまだいいのですが、どうもだらしない印象を受けてしまいます。
圖師 だからこそスーツが便利な存在だったのですね。団塊世代などは日本のメンズファッションを築き上げてきた世代でもあるのですが、社会人になってからはおしゃれに関しては封印状態にありました。
コシノ かつてのカジュアルフライデーでは、中高年のみなさんはかなりご苦労なさったのではないですか。とたんに格好悪い面がたくさん見えてしまいましたから。学校に制服があったほうが楽というのと同じで、自由ほど難しいものはありません。
でもCBなどをきっかけに、軽くおしゃれをするという感覚が出てきたことは事実ですね。また“クールビズ”という表現も効果的でした。
圖師 CBで、ファッションを忘れていた人が売り場に戻ってきました。百貨店では奥さんによる代理購買が多いのですが、ここにきて着用者自らが来店するようになってきました。
─以上引用─