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小泉総理ラジオで語る「第26回 脱石油戦略」(首相官邸)

第26回 脱石油戦略 平成17年4月16日放送

こんにちは、小泉純一郎です。

─  総理、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
 総理、先日新しい総理公邸が完成しましたね。
 ええ、今週新しい総理公邸が完成してお披露目をしました。元の総理官邸を50メートルほど移動させまして、昭和4年の建設当時の状態を保存しながら、新しいものを加えました。非常にきれいで立派で、外国からの賓客との会合にも使っていきたいと思っています。

─  環境に対して随分配慮なさったとお聞きしましたが。
 そうなんです。新公邸の屋根には太陽光発電パネルを設置しました。それから、そんなに強くない風でも電気を起こす最新型の風力発電設備を入れます。

─  そうなんですか。
 それだけではないんですよ。これに加えて、世界で初めての家庭用燃料電池発電システムを導入したんです。都市ガスから水素を取り出して、空気中の酸素と反応させて電気と熱を起こすそうです。これは、二酸化炭素の排出を大幅に抑えたシステムなんです。まだ値段は高いようですけれども、1台で大体4人家族が普通に使う電気と、お風呂のお湯が2杯分供給できるんだそうです。

─  そうなんですか。
 実は、私は、2002年2月の国会で施政方針演説をしたんですけれども、そのときに「燃料電池の3年以内の実用化を目指します。」と宣言したんです。ちょうどそれに間に合いましたね。

─  これから一般家庭にも広がっていくといいですね。
 それから、公邸ですから、毎日寝起きするわけです。生ごみも出ます。これを捨てないで、官邸の食堂から出る生ごみと一緒にして有機肥料リサイクル、そういうものに使うようにしているんです。この肥料を使って農家に野菜をつくってもらう。自然にやさしい公邸にしていきたいと思っているんです。

─  すばらしいですね、是非お願いいたします。
 ところで、なぜ総理は環境問題やエネルギー問題に熱心でいらっしゃるんでしょうか。
 それは、私が初めて国会議員に当選したのは、昭和47年12月の選挙なんです。今から33年前ですか。この翌年、昭和48年に中東戦争が起こって石油危機と言われる石油ショックが起こったんです。あのときは、私は国会議員1年生ですからね、国民が大混乱したときをよく覚えているんです。私の事務所にも、トイレットペーパーがないとか、洗剤がないとか、随分苦情が来ました。
 当時、1バレル2ドルぐらいの油の値段が一挙に10ドル前後、4倍、5倍に跳ね上がったんです。だから、恐らく石油でできている製品は値上がりするだろうと信じていたんでしょうね。だから、そういう買い占め、売り惜しみが起きたんです。

─  当時は大変だったようですね。
 だから、これは余り石油に頼ってはいかんなと。石油に代わるクリーンなエネルギーに代えていかなければならないと思っているんです。
 その石油ショックの経験から、今、石油に代わるエネルギーにシフトしてきました。今から30年前の頃は、日本はエネルギーの70%以上を石油に頼っていましたけれども、今ではこれが50%にまで下がりました。特に発電所では、30年前は60%近くが石油を燃やして電気をつくっていたんです。今では、石油火力は10%にまで下がりました。原子力天然ガスなどを増やしてきたんです。

─  随分変わってきたんですね。
 でも、日本がこれから進めていかなければならないのは、風力や太陽の力、あるいは燃料電池やバイオエネルギーなどの環境にやさしい新エネルギーをもっと開発して使っていくことだと思っております。

─  なるほど、新エネルギーですね。
 今、ちょうど「脱石油戦略」というものをつくっているんです。これからは、石油に頼らないようにしていくと。今、霞が関の役所の屋上には太陽光発電のパネルが置いてあるんです。日本の太陽光発電パネルは世界一だそうです。太陽光による発電量も世界一になっているんです。

─  そうなんですか。
 更に風力発電。これは最近、小さなもので、そんなに風が強くなくてもできるような、こういう風力発電の発展にも十分意を配していかなければならないと思っております。東京でも結構出てきたでしょう、風力発電のプロペラがね。

─  お台場なんかにも見られますね。
 更にバイオマス。サトウキビなどの植物からエタノールができるんです。これをガソリンの代わりに使って自動車を走らせることも進めています。

─  随分いろいろなことを進めていらっしゃるんですね。
 私、内閣の最重要課題の1つとして、環境保護と経済発展を両立させなければいかんと。かつては経済発展を考えると、ある程度環境を犠牲にしてもいいという考えがあったんですが、そうじゃありませんと。この環境保護と経済発展を両立するためには、科学技術が大事だと。その科学技術の力を活かして、新しい環境にやさしいエネルギーを開発したり、あるいは省エネルギーを進めて、石油に頼らない、脱石油社会を実現したいですね。

─  是非お願いいたします。
 そうすることによって、中東に対するエネルギー対策、また日本の外交交渉にも力を与えますね。
 それと、これから夏ですけれども、あの暑さに男の人はネクタイをしたり、上着を着ているから大変でしょう。だから、役所なんかに来ると寒くなるほど冷房を強くしますね。これも無駄なんです。だから、今年の夏からは総理大臣も各大臣もノーネクタイでやろうと。トップがしないと役所の職員たちは気兼ねしてしないんです。だから、トップが率先してノーネクタイ、ノー上着にして、そんなに冷房も冷やさないようにしようと。これも省エネになるでしょう。

─  それは素敵ですね。上着を着た男の人に合わせて冷房すると、私たち女性はちょっとその冷房 がきつかったりすることもありますから。
 そうでしょう。寒いと女性はカーディガンとかセーターを着たりする。そういう無駄なことはやめようと。

─  助かります。
 だから、私もノーネクタイ、ノー上着にするんです。ただし、制服はつくりませんから、みんな各自自分で好きなシャツでやってくださいと。

─  何だか楽しそうですね。総理がどんなシャツをお召しになるか楽しみにしています。
 人に不快感を与えない程度なら何でもいいと言っているんです。せっかく、ノーネクタイ、ノー上着ですから、各自好きなものを使って、余りセンスを疑われないようなものにしてくださいと言っているんです。

─  楽しみにしています。
 ところで総理、今週ももう時間になってしまいましたが。
 そうですね。毎月毎月早いですね、日が経つのは。来月は第3土曜日の21日にまたお目にかかりましょう。さようなら。

※このメッセ−ジは、全国38局のラジオで4月16日(土)に放送されたものです。

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http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiradio/2005/0416.html

以上 首相官邸ページ引用